Victor TD-V721

 


◆発売年       1988年頃   \87,000

主な定格
ヘッド 録音:アモルファス
再生:アモルファス
消去:2ギャップフェライト
モーター キャプスタン用:パルスサーボDDモーター
リール用:DCモーター
メカニズム駆動用:DCモーター
ワウ・フラッター ±0.05% Wpeak(EIAJ)
0.022% WRMS
SN比 57dB(メタルテープ、EIAJ)
61dB(A.WTD、1kHz、3%3次高調波歪率、メタルテープ)
歪率 0.5%(EIAJ、1kHz、3次高調波歪率、メタルテープ)
  幅435×高さ140×奥行336mm  約10.3kg


技術的な話は他の方にまかせまして、わたしはだらだらっと思ったことを書きます。

この時代のデッキは重いものが良いものということだったのでしょうか
デッキ底部に重たい木の板が付いています。計ってはいませんがおそらく3,4kgはあるでしょうかズシンと重いです。


再生・録音できるが早送り、巻戻しが出来ないというものでした。
・原因:モーター軸直結の早まわし用のギヤの山が欠けて無くなっている。
対処:ラジコン用のギヤセット(KYOSHO MZ404)のひとつが径もピッチもピッタリ!
     
厚みが足りない分はワッシャを入れて対処
以上の修理で全ての動作OKとなった。

クローズドループ・デュアルキャプスタン方式でテープのテンションは一定に保たれ、非常に安定した走行を実現してくれるのはありがたいのだが、送り出し側のキャプスタンの位置が正確にセットされていない場合いとも簡単に大切なテープをわかめにしてくれるところが最も恐いところです。
おそるおそるお試し用のC-90テープを再生したところこの個体にテープパスの狂いは無いようでC-90往復再生しても問題なし。
再生も録音も非常にクオリティが高いと思いましたので
この機械を録音用デッキその1にしました。

 

全機種共通ですが

特に問題が無ければ本文に調整・クリーニングについては明記はしません。

【調整】
詳細な調整方法は多くの方が書かれていますからネットで探してください。

1.テープパスの調整
  特にクローズドループ・デュアルキャプスタン方式の高級機は、この調整をしっかりやっておかないと
  問答無用のわかめ製造機となり、大切なカセットテープをダメにしてしまう恐ろしいことになります。
  なにはともあれ絶対に行いましょう。
  調整に必要なもの「ミラーカセット

2.ヘッドアジマス調整
  ちゃんとした調整はアジマス調整用のテープが無いと出来ないかもしれません。
  中途半端な素人調整は逆にアジマスを狂わすことになるかもしれません。
  私の方法で行う方はそれなりの覚悟の上でどうぞ。

  1.アジマス調整用のテープを作る(詳細はどなたかの記事をguguって!)

    まずは手持ちのデッキで最も信用できる、以後それと心中できるデッキを選びそのデッキでテープを作ります。
    アジマスを正しく調整するというより、これで完成したテープで調整したデッキはみなこの最も信頼できるデッキと
    アジマスが同じになると考えたほうがいいでしょう。
    つまり、最初のデッキのアジマスが問題なければ以後全てOK! って感じですね。

    わたしは1khz 0dbのサイン波をPCで生成し音源ボードのLINE OUTからデッキに入力し録音しました。
    このとき使用したPCソフトは「WaveGene」です。
    10分もあればいいかなと思いましたが20分くらい録音しとくほうがいいかも。

  2.アジマス調整用のテープを再生して調整する
    調整したいデッキに作ったアジマス調整用テープを入れ再生する。
    デッキからの出力はPCのLINE INに入れリサージュを表示させヘッドの角度を変えながら調整する
    これも細かい調整の仕方は他をguguって!
    リサージュを表示させるソフトは「WaveSpectra」を使っています。他は知りません。

3.テープ再生速度の調整
   速度が正確に制御されている機種では不要ですが、普及機などはキャプスタン駆動モーターの速度を
   モーターに直接ドライバーをぶっ刺して半固定抵抗の調整をして走行速度を調整する必要があるものもあります。
   上のアジマス調整後にそのまま
WaveSpectra」の1kHzのスペクトラムがきっちり1kHzの位置に来るように
   モーターの速度を合わせればOKです。
   機種によってはモーターの制御回路の基板上に半固定抵抗がある場合もあります。

【クリーニング】
1.内部クリーニング
  入手した機種はまずは蓋をあけて中を見ます
  埃や汚れはこの時点で掃除機で吸ったり雑巾で拭いたりしてキレイにしましょう。

2.外部クリーニング
  フロントパネルやスイッチ類、カバーなどはずせるところは分解しまくって洗います。
  基本的にはお風呂に入るときについでに洗い場で中性洗剤+スポンジでよーくゴシゴシと洗います。
  タバコのヤニなどがひどいときは最初にかんたんマイペットなどを吹きかければほぼきれいに落ちます。
  ただこれは弱アルカリ性なのでもしなにか問題が起きても自己責任で!
  (私はまず最初に必ずかんたんマイペットしますが)

3.ヘッドまわりのクリーニング
  機能的には最も重要な部分ですね。
  ジャンク品にはここがほこりまみれになっているものが多くあります。
  根気よくきれいにピカピカにしましょう!
  まずはヘッド+ローラーなどを専用のアルコールでキレイにし、そのアルコールで周囲の掃除をしてもいいでしょう。
  とにかく見えるところも見えないところもピカピカに!

  ここでヘッドを見てダメなようでしたらヘッド交換しかありません。
  交換しないのなら諦めましょう。
  ヘッド表面にサビが出ている場合があります。
  このまま再生すると当然テープがやられちゃいますからサビを落としてから使用しなければいけません。
  そこまでして使う?と言う話も無きにしも非ずですが
  わたしは本来は車の油膜取り用なのですが「キイロビン120」を使っています。評判も悪くないようです。
  何台かのデッキはこれで使えるようになったものもあります。
  ただこの方法はヘッドの表面を磨くことになりますので全て自己責任で行ってください。

 

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